緑内障の進行を抑制に効果を発揮

カシスアントシアニンの緑内障進行抑制を実証

2年間におよぶ緑内障進行抑制の臨床試験を実施

日本における失明原因として糖尿病網膜症がよく知られていますが、近年ではその糖尿病網膜症を抜き緑内障が失明原因の第1位を占めています。緑内障は、視神経に障害をきたし視野(見える範囲)が狭くなる病気で、一度喪失した視野は基本的に回復することがありません。そのため、緑内障の予防や進行抑制に期待と注目が集まっています。

そこで札幌医科大学眼科学講座の大黒教授グループは『カシスアントシアニンの緑内障性視神経障害に対する効果』の臨床試験を行いました。

対象は緑内障視野障害が初期から中期(視野ステージ)の患者38名。19名ごとの2グループに分け、一方のグループにはカシスアントシアニン50mgを含む試験食品を、もう一方のグループにはカシスアントシアニンを含まないプラセボ(偽薬)食品を2年間、標準的な緑内障の治療とともに毎日摂取していただきました。眼圧と血圧は1〜2ヵ月ごと、視野とレーザースペックルによる視野経乳頭および乳頭周囲の網脈絡膜血流は6ヵ月ごとに測定。カシスアントシアニンまたはプラセボの割り付けは2年間の経過観察を終了するまで、被験者・試験者ともに不明にする二重盲検法で行いました。

その結果、カシスの驚くべき効果が明らかになりました。

50mgのカシスアントシアニンがもたらす驚くべき効果とは?

2年間におよぶ試験で最終的に観察できたのはカシスアントシアニン・グループが19名、プラセボ・グループが19名。試験開始時における年齢・性別・眼圧・緑内障病期は両グループで有意差はありません。

右のグラフが示すように、緑内障の進行状況をみるのに最も重要とされる全体的な視野障害の程度を表すMD値では視野低下を抑制し(上図)、目の血流の増加=改善(下図)がみられました。

この臨床試験により、「視野障害進行の軽減」「血流の増加」がみられ、カシスが緑内障の進行を抑制するサプリメントとして有用なことが明らかになりました。明らかになったカシスのチカラ

臨床試験概要

緑内障とは?

厚生労働省研究班の近年の調査によると、緑内障は日本における失明原因の第1位を占めています。日本緑内障学会による大規模な調査(多治見スタディ)では、40歳以上の日本人の緑内障有病率は5%という結果に。つまり40歳以上の日本人には、20人に1人の割合で緑内障患者がいるということになります。この有病率は年齢とともに高まっていくことが知られており、70歳以上では約8人に1人の割合で緑内障患者がいるとの報告も。そして、日本の少子高齢化にともない、今後ますます緑内障有病率が高まっていくことが懸念されています。
さらに、日本緑内障学会の調査で明らかになった緑内障患者のなかで、それまで緑内障と診断されていたのは全体の約1割。つまり、緑内障と気付かずに過ごしている人が多くいるということが判明しています。

日本人の失明原因(疾病別)

緑内障とは何らかの原因で視神経に障害をきたし、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。日本緑内障学会のガイドラインでは「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的・構造的異常を特徴とする疾患である」と定義。一般的には眼圧が上昇し視神経が圧迫され、視神経に障害をきたし視野狭窄が始まる疾患と考えられています。
眼圧とは、眼の中にある房水とよばれる液体の圧力のこと。房水は血液の代わりに栄養を運んだり、圧力によって眼の形状を保ったりする働きがあります。緑内障の予防や進行抑制において、この眼圧をコントロールすることが重要な手段となってきます。

眼球水平断面図

緑内障の進行は基本的に緩やかなので、初期段階では視野障害があっても自覚しないことがほとんど。自覚症状で気付いたときには、視野や視力の悪化がかなり進行しているということが多いのです。そこで、日頃から緑内障の検査や予防を心掛けることが重要になってきます。
そのうえ緑内障の進行は常に一方通行であり、現状では一度喪失してしまった視野は治療で回復することがありません。緑内障の進行をくい止めるためには、眼圧を低くコントロールすることが最も有効な手段とされています。治療法としては、薬物療法・レーザー治療・手術などが一般的ですが、これらの治療は回復ではなく進行を抑制することが目的です。
また、近年では正常眼圧でも緑内障を発病する例が多く見受けられていますが、その正常眼圧緑内障においても眼圧を低下させることが有効であると認められています。

眼圧分布と緑内障性視野障害発現率